「地球の歩き方」からも削除されてしまった噂のバレンタイン・インは実際どうなのか？

ワディ・ムーサにあるバレンタイン・インは日本人バックパッカーにはとてもよく知られた安宿です。世界一周をしている旅行者のブログを読んでいると、みなさんたいていここに泊まっているようですね。この宿はかつては「地球の歩き方」にも載っていたようなのですが、現時点の最新版（2014～2015）では削除されてしまっています。その理由はこの宿でトラブルがとても多く発生していたからのようです。

例えば、「月の砂漠－ヨルダンから」さんの記事によると、この方のお客さんが「ビールを2缶飲んで20JD請求されて納得しないまま支払った」とのことなのですが、私はだから何なの？と思いました。ヨルダンでは「外国人価格」は当たり前で、私も今回はさんざん騙されましたが、こういうのが当たり前の最低な国なのだから、もはや騙された人が悪いとしか言えません。20JDは高すぎると怒ればよかったのに払ってしまうなんて、この人のお客さんがただのお人好しのアホだったということでしょう。私ならビールを買うときは事前にいくらなのか確認します。

また、この宿では人によって宿泊費などを高く言っていたという報告があります。ホテルの宿泊費が人によって異なるなんて世界中どこのホテルでも当たり前のことで、自分が払った宿泊費が他の人よりも高かったと言って怒る方がおかしいです。

この宿で起こったトラブルに関して私が思ったことは、日本人の間であまりに有名になりすぎて、本来こんなバックパッカー宿には泊まるべきではない普通の日本人旅行者までがここに来るようになってしまい、日本人的なサービス感覚とのギャップが生じて問題になったのではないかと思いました。

私が実際に現在のバレンタイン・インに泊まってみた感想は、値段相応のぼろホテルではあるが、バックパッカー宿としては非常に秀逸というものです。海外の安宿に泊まった経験が豊富なバックパッカーなら誰しもそう思うでしょう。そういう経験が少ない人、中級ホテルや高級ホテルに普段泊まっているような人はこんなところに泊まるべきではありません。

この宿で何がよいのかと言えば、まずはペトラ遺跡への送迎です。この宿は丘の上にあるため、どこへ行くのも簡単ではないのですが、送迎があるおかげでペトラ遺跡まで簡単に行くことができます。ペトラのぼったくり価格だとタクシーは片道3～5JDです。往復の送迎があるのは本当にありがたいです。ちなみに、ペトラ遺跡への行きは7:00と8:00、帰りは16:00と17:00です。ペトラ・バイ・ナイトに行く場合も送迎があるようです。

この送迎車はバスターミナルなどを1日中頻繁に回っているようなので、バレンタイン・インに泊まるならこの送迎車に乗って行くといいでしょう。

そして、この宿のハイライトはなんと言っても夕食のバイキングです。5JDと結構高いのですが、それだけの価値は絶対にあります。ヨルダンは物価が高いので、貧乏旅行者にはレストランは敷居が高いです。ヨルダンに着いてから私はろくなものを食べてなかったので、この夕食がとてもおいしくて涙が出るほど感動しました。

この料理はバングラデシュから出稼ぎに来ている2人のお手伝いさんが作っているらしいです。このお手伝いさんは朝から晩まで本当によく働いています（酷使されていますｗ）。そして、受付にいるマネージャーらしきおじさんはエジプトから来ている出稼ぎ労働者なのだとか。このおじさんに朝食も強く勧められましたが、こちらはたいしたことなさそうなので食べませんでした。

この宿ではシングル（12JD）に泊まったのですが、部屋には扇風機と冷蔵庫と洗面台とシャワーとトイレがあり十分に快適でした。さすがにエアコンはありませんでしたが、特に冷蔵庫はありがたかったです。この部屋ではそれなりに速いWiFiも使えました。シャワーはほぼ水シャワーなのですが、夏は日中の気温が高いので、昼間だと熱いお湯が出てきます。この宿は高台にあるので景色もきれいです。

この宿にはアンマン（7JD）やアカバ（7JD）へ行くバスを前夜に予約しておくと、朝迎えがきてくれるというたいへんうれしいサービスもあります。ワディ・ラムツアーは35JDとお手頃価格ですが、2人以上の参加が必要です。片道7JD（往復14JD）のバス代、初日の昼食、ワディ・ラムの入場料（5JD）、水は含まれていません。このツアーについては後で報告したいと思います。